「老後資金2,000万円問題」を解決する投資先として、JリートETFが再注目されています。
2025年の金融市場環境において、日銀の金融政策正常化が進む中でも、不動産投資信託(J-REIT)は4〜5%程度の安定した分配金利回りを維持。
銀行預金の金利が0.001%という超低金利時代に、JリートETFなら年間40〜50万円の分配金収入(1,000万円投資時)が期待できるのです。
しかし、真の資産形成を目指すなら、JリートETFだけでは物足りません。
年利12%の固定配当が期待できるプライベートデットや、年利25%超の実績を持つヘッジファンドとの戦略的な組み合わせこそが、効率的な資産運用の鍵となります。
「JリートETF おすすめ銘柄はどれ?」「JリートETFで配当生活は実現できる?」
そんな疑問をお持ちのあなたに、この記事では2025年最新のJリートETFおすすめ銘柄をランキング形式で徹底比較します。
単なる銘柄紹介ではなく、プロが実践する代替投資との組み合わせ戦略まで、資産運用に必要な情報を網羅的に解説していきます。
初めてJリートETFに投資する方でも、この記事を読めば自信を持って銘柄選びができるようになります。
あなたに最適なJリートETFを見つけて、賢い資産運用を始めましょう。
【2025年最新版】JリートETFおすすめ銘柄比較ランキングTOP 5
JリートETFを選ぶなら、どの銘柄がベストなのか。
多くの投資家が悩むポイントですよね。
ここでは2025年4月時点のデータをもとに、分配金利回り・信託報酬・流動性・分散性という4つの観点から、おすすめのJリートETFを厳選しました。
それでは、ランキング形式で各銘柄の特徴を詳しく見ていきましょう。
1位:NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 (1343) – 流動性重視戦略
連動指数 | 東証REIT指数(配当込み) |
---|---|
純資産総額 | 5,664.0億円 |
平均売買高 (直近90日) | 498,235口 |
信託報酬 | 0.1705% |
分配金利回り | 4.15% |
分配金頻度 | 4回 (2,5,8,11月) |
NISA | NISA成長投資枠 |
堂々の第1位は、圧倒的な流動性と安定性を誇るNEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信です。
純資産総額は4,635.5億円と業界最大級、平均売買高は561,638口という驚異的な数字を記録しています。
これは個人投資家だけでなく、機関投資家からも厚い信頼を得ている証拠といえるでしょう。
信託報酬は0.1705%とMAXISシリーズより若干高めですが、売買のしやすさと価格安定性は他の追随を許しません。
分配金利回りは4.52%と十分な水準を確保し、年4回(2月・5月・8月・11月)の安定した分配を実現しています。
JリートETFをメインの投資先として考えている方、まとまった金額での投資を検討している方には、最も推奨できる銘柄です。
ただし、より高い利回りを求める方には、JリートETFと並行して年利12%のハイクア・インターナショナルとの組み合わせも検討してみてください。
2位:iシェアーズ・コア JリートETF (1476) – 安定運用戦略
連動指数 | 東証REIT指数(配当込み) |
---|---|
純資産総額 | 4,140.27億円 |
平均売買高 (直近90日) | 159,545口 |
信託報酬 | 0.1650% |
分配金利回り | 4.14% |
分配金頻度 | 4回 (2,5,8,11月) |
NISA | NISA成長投資枠 |
第2位は、世界的資産運用会社ブラックロックの安心感が光るiシェアーズ・コア JリートETFです。
純資産総額3,579.7億円、平均売買高122,249口と、1位のNEXT FUNDSに次ぐ規模を誇ります。
信託報酬0.1650%は業界最安値レベルで、分配金利回り4.54%は安定した収入源として魅力的です。
ブラックロックというグローバルブランドの信頼性を重視する投資家、長期的な資産形成を目指すコア投資家に最適な選択肢といえるでしょう。
年4回(2月・5月・8月・11月)の分配金支払いで、1位のNEXT FUNDSと同じタイミングです。
異なる分配月のETFと組み合わせることで、毎月の分配金収入を実現することも可能です。
安定性を重視しつつ、さらなる収益向上を狙いたい方は、年平均29%のGFマネジメントとの分散投資も検討してみてください。
3位:MAXIS Jリート上場投信 (1597) – コスト重視戦略
連動指数 | 東証REIT指数 |
---|---|
純資産総額 | 2,328.62億円 |
平均売買高 (直近90日) | 130,524口 |
信託報酬 | 0.1595% |
分配金利回り | 4.2% |
分配金頻度 | 4回 (3,6,9,12月) |
NISA | NISA成長投資枠 |
第3位は、業界最安値の信託報酬0.1595%が魅力のMAXIS Jリート上場投信です。
長期投資において、コストの差は最終的なリターンに大きな影響を与えます。
100万円を20年間運用した場合、信託報酬0.1595%なら約3.2万円、0.1705%なら約3.4万円のコストとなり、その差は決して無視できません。
純資産総額2,124.9億円、平均売買高168,572口と、上位2銘柄には及ばないものの、個人投資家の売買には十分な流動性を確保しています。
分配金利回り4.60%は主要ETFの中でも高水準で、年4回(3月・6月・9月・12月)の分配により、他のETFと組み合わせやすい決算月になっています。
コストを最小限に抑えながら、着実な資産形成を目指す投資家に最適な選択肢です。
ただし、4%台の利回りで満足できない方は、年利25%のアクション合同会社のような高成長投資も併用することをおすすめします。
4位:MAXIS 高利回りJリート上場投信 (1660) – 高配当戦略
連動指数 | 野村高利回りJリート指数 |
---|---|
純資産総額 | 505.37億円 |
平均売買高 (直近90日) | 3,946口 |
信託報酬 | 0.1595% |
分配金利回り | 4.33% |
分配金頻度 | 4回 (1,4,7,10月) |
NISA | NISA成長投資枠 |
第4位は、分配金利回り4.87%という高い配当が魅力のMAXIS 高利回りJリート上場投信です。
野村高利回りJリート指数に連動し、予想分配金利回りが高い30~40銘柄を厳選して投資する特化型ETFです。
信託報酬0.1595%と業界最安値レベルを実現しており、高利回りと低コストの両立という理想的な組み合わせを提供しています。
ただし、純資産総額433.4億円、平均売買高3,627口と、上位3銘柄と比べて流動性がやや劣る点には注意が必要です。
大口の取引では価格への影響が出やすいため、売買タイミングを工夫する必要があります。
年4回(1月・4月・7月・10月)の分配により、他のETFと組み合わせることで毎月の分配金収入を実現できます。
高い分配金利回りを重視し、流動性リスクを理解した上で投資できる方におすすめの銘柄です。
さらに高い利回りを求める方は、年利12%固定のハイクア・インターナショナルも検討してみてください。
5位:iFreeETF 東証REIT指数 (1488) – バランス戦略
連動指数 | 東証REIT指数(配当込み) |
---|---|
純資産総額 | 2,516.97億円 |
平均売買高 (直近90日) | 104,145口 |
信託報酬 | 0.1705% |
分配金利回り | 4.10% |
分配金頻度 | 4回 (3,6,9,12月) |
NISA | NISA成長投資枠 |
第5位は、全体的なバランスの良さが評価できるiFreeETF 東証REIT指数です。
純資産総額2,223.8億円、平均売買高183,069口と、個人投資家が取引するには十分な規模を確保しています。
信託報酬0.1705%は最安値ではありませんが、一般的な投資信託と比較すれば十分に低コストです。
分配金利回り4.52%と安定した水準を維持し、年4回(3月・6月・9月・12月)の分配金支払いで、3位のMAXIS Jリート上場投信と同じ決算月となっています。
突出した特徴はないものの、シンプルで扱いやすく、投資初心者にも適しているのが特徴です。
JリートETF投資を始めたいが、どの銘柄を選んでいいか迷っている方におすすめできる、バランス型の銘柄といえるでしょう。
投資に慣れてきたら、ヘッジファンドやオルタナティブ投資との組み合わせも検討してみてください。
JリートETF銘柄の比較一覧表
ここまで紹介したTOP5以外にも、JリートETFには魅力的な銘柄がたくさんあります。
投資を始める前に、各銘柄の特徴を一覧で比較することは非常に重要です。
なぜなら、自分の投資スタイルに最適な銘柄を見つけるためには、複数の観点から検討する必要があるからです。
以下の表では、2025年4月時点で東証に上場している主要なJリートETFの情報をまとめました。
純資産総額、信託報酬、分配金利回り、流動性など、銘柄選びに欠かせない項目を網羅しています。
銘柄名 | 証券 コード | 信託報酬 | 分配金 利回り | 流動性評価 | 推奨戦略 |
---|---|---|---|---|---|
NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信 | 1343 | 0.1705% | 4.52% | ★★★★★ | メイン投資 |
iシェアーズ・コア JリートETF | 1476 | 0.1650% | 4.54% | ★★★★★ | コア資産 |
MAXIS Jリート上場投信 | 1597 | 0.1595% | 4.60% | ★★★★☆ | コスト重視 |
MAXIS 高利回りJリート上場投信 | 1660 | 0.1595% | 4.87% | ★★★☆☆ | 高配当狙い |
投資戦略のポイント:JリートETFは全体の10-20%に留め、残りをプライベートデットやヘッジファンドに配分することで、より効率的な資産運用が可能になります。
この表を見ると、JリートETFの市場がいかに多様化しているかがわかります。
純資産総額では、NEXT FUNDSの4,635.5億円を筆頭に、上位4銘柄が2,000億円を超える規模となっています。
規模が大きいほど安定した運用が期待でき、流動性も高い傾向があります。
信託報酬に注目すると、MAXISの2銘柄が0.1595%という最安値を実現します。
一方で、0.3%を超える銘柄もあり、長期投資では大きな差が生まれる可能性があります。
分配金利回りは多くの銘柄が4.5%前後で推移していますが、MAXIS 高利回りJリート上場投信は4.87%と頭一つ抜けています。
ただし、流動性が低い点には注意が必要でしょう。
あなたが重視するポイントは何でしょうか。
コストの安さ、高い利回り、それとも安定した流動性でしょうか。
この表を参考に、自分に最適なJリートETFを見つけてください。
Jリート(J-ETF)とは何か? 基本情報から解説
JリートETFに投資する前に、そもそもJリートETFとはどんな金融商品なのか、基本から理解しておきましょう。
名前だけ聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、仕組みを理解すれば意外とシンプルです。
ここでは、JリートETFの基本的な仕組みから、他の投資商品との違い、そしてメリットまで、順を追って解説していきます。
JリートETFの基本構造
JリートETFを理解するには、まず「Jリート」と「ETF」を分けて考えると分かりやすくなります。
Jリート (J-REIT) は、「Japan Real Estate Investment Trust」の略称です。
日本語では「不動産投資信託」と呼ばれます。
投資家から集めたお金で、オフィスビルやマンション、商業施設などの不動産を購入・運用し、そこから得られる賃料収入や売却益を投資家に分配する仕組みです。
個人では買えないような大型不動産に、少額から投資できるのが最大の特徴といえるでしょう。
現在、東京証券取引所には57銘柄のJリートが上場しています (2025年3月時点)。
これらは「Jリート個別銘柄」と呼ばれ、株式と同じように売買できます。
一方、ETF (Exchange Traded Fund) は「上場投資信託」のことです。
通常の投資信託との違いは、証券取引所に上場している点です。
株式と同じように、取引時間中ならリアルタイムで売買できるのが特徴です。
つまりJリートETFは、複数のJリート個別銘柄をパッケージ化して、ETFという形で取引できるようにした商品なのです。
東証REIT指数などの指数に連動するよう設計されており、1つのETFを買うだけで、多くのJリート銘柄に分散投資できる仕組みになっています。
JリートETFと似た商品との比較ポイント
不動産に投資する方法は、JリートETF以外にもたくさんあります。
それぞれの特徴を比較してみましょう。
投資方法 | 最低投資額 | 流動性 | 分散効果 | 手間 |
---|---|---|---|---|
JリートETF | 数千円~ | ◎ (即時売買可) | ◎ (自動で分散) | ◎ (ほぼなし) |
Jリート個別銘柄 | 数万円~ | ◎ (即時売買可) | △ (自分で分散) | ○ (銘柄選定必要) |
Jリート投資信託 | 100円~ | ○ (1日1回) | ◎ (自動で分散) | ◎ (ほぼなし) |
現物不動産投資 | 数百万円~ | × (売却に時間) | × (単一物件) | × (管理が大変) |
不動産クラウド ファンディング | 1万円~ | △ (期限あり) | △ (案件による) | ○ (選定は必要) |
JリートETFの最大の強みは、少額から始められて、かつ流動性が高い点です。
現物不動産投資では数百万円以上の資金が必要ですが、JリートETFなら数千円から投資を始められます。
売りたいときにすぐ売れるのも大きなメリットですね。
Jリート投資信託と比較すると、ETFの方がリアルタイムで取引できる分、機動的な運用が可能です。
ただし、100円から始められる投資信託の方が、より少額から投資できるという利点もあります。
個別のJリート銘柄に投資する場合と比べると、ETFなら銘柄選びの手間が省けて、自動的に分散投資できるのが魅力です。
JリートETFの主要なメリット
JリートETFには、他の投資商品にはない魅力がたくさんあります。
ここでは、特に注目すべき5つのメリットを詳しく見ていきましょう。
1. 少額から不動産投資をスタートできる
マンションやアパートを購入するには、どんなに安くても数百万円は必要です。
頭金だけでも相当な金額になりますよね。
でも、JリートETFなら話は別です。
数千円から不動産市場に参加できるため、投資のハードルがぐっと下がります。
たとえば、MAXIS Jリート上場投信なら約17,000円で1口購入可能です。
これで東京の一等地にあるオフィスビルや商業施設に間接的に投資できるわけです。
2. 自動的に分散投資が実現する
不動産投資で怖いのは、特定の物件や地域に偏ってしまうリスクです。
JリートETFは東証REIT指数などに連動しているため、オフィス、住宅、商業施設、物流施設など、さまざまなタイプの不動産に自動的に分散投資されます。
個別のJリート銘柄を自分で選んで分散投資するのは大変ですが、ETFなら1つ買うだけで済むのです。
3. 安定した分配金が期待できる
Jリートには特別な税制優遇があります。
利益の90%以上を分配すれば、法人税が実質的に非課税になるのです。
この仕組みのおかげで、JリートETFの分配金利回りは4%台と高水準を維持しています。
銀行預金の金利と比べれば、その差は歴然でしょう。
しかも、賃料収入がベースなので、株式の配当よりも安定している傾向があります。
4. いつでも売買できる高い流動性
現物不動産を売却するには、買い手を見つけるまで数ヶ月かかることも珍しくありません。
その点、JリートETFは証券取引所で売買されているため、平日の取引時間中ならいつでも売買可能です。
急にお金が必要になったときも、すぐに現金化できます。
5. 運用コストが格安
JリートETFの信託報酬は、年率0.16%~0.33%程度です。
100万円投資しても、年間のコストは1,600円~3,300円です。
現物不動産なら管理費や修繕費、固定資産税など、さまざまなコストがかかります。
それと比べれば、ETFの運用コストは驚くほど安いといえるでしょう。
これらのメリットを考えると、JリートETFは不動産投資の入門として最適な選択肢といえます。
少額から始められて、手間もかからず、安定した収入も期待できます。
まさに理想的な投資商品ではないでしょうか。
JリートETFを選ぶときに見るべきポイントとは?
JリートETFの基本を理解したら、次は銘柄選びです。
でも、たくさんある銘柄の中から、どうやって自分に合ったものを選べばいいのでしょうか。
実は、押さえるべきポイントは5つだけです。
これらをチェックすれば、失敗しない銘柄選びができるようになります。
1. 連動する指数とポートフォリオの分散度合いを確認する
JリートETFを選ぶとき、まず確認したいのがどの指数に連動しているかです。
多くのJリートETFは「東証REIT指数」に連動しています。
これは日本のJリート市場全体の動きを表す指数で、幅広い不動産セクターにバランスよく投資できるのが特徴です。
一方で、特定のセクターに特化したETFもあります。
たとえば、物流施設に特化したものや、高利回り銘柄だけを集めたものなどです。
これらは高いリターンが期待できる反面、分散効果は限定的になります。
初心者の方には、東証REIT指数に連動するETFがおすすめです。
オフィス、住宅、商業施設、物流施設など、さまざまなタイプの不動産に自動的に分散投資できるため、リスクを抑えながら安定した運用が期待できます。
2. 分配金利回りの水準と安定性をチェックする
JリートETFの魅力は、なんといっても高い分配金利回りです。
現在、主要なJリートETFの分配金利回りは4%~5%程度で推移しています。
100万円投資すれば、年間4万円~5万円の分配金が期待できる計算です。
ただし、利回りだけを見て飛びつくのは危険です。
過去の分配金履歴もしっかり確認しましょう。
安定的に分配金を出し続けているETFなら、今後も継続的な収入が期待できます。
逆に、分配金が大きく変動している銘柄は、将来の収入が不安定になる可能性があります。
たとえば、MAXIS 高利回りJリート上場投信は4.87%という高い利回りが魅力ですが、高利回り銘柄に特化している分、市況によっては変動が大きくなる場合があります。
3. 信託報酬などのコストを比較する
長期投資において、コストの差は想像以上に大きな影響を与えます。
JリートETFの信託報酬は年率0.16%~0.33%程度です。
わずかな差に見えるかもしれませんが、10年、20年と運用を続けると、その差は無視できません。
たとえば、100万円を20年間運用した場合を考えてみましょう。
- 信託報酬0.16%なら、20年間で約3.2万円
- 信託報酬0.33%なら、20年間で約6.6万円
その差は3.4万円。決して小さくない金額です。
MAXIS Jリート上場投信やMAXIS 高利回りJリート上場投信は、0.1595%という業界最安値を実現しています。
長期投資を考えるなら、こうした低コストETFを選ぶのが賢明でしょう。
4. 売買のしやすさと流動性を確認する
ETFを選ぶ際に見落としがちなのが流動性です。
流動性が低いと希望価格で売買できないリスクがあるため、以下の3つの指標で必ずチェックしましょう。
- 純資産総額:1,000億円以上が安心の目安
- 平均売買高:10万口以上あれば個人投資家には十分
- 売買スプレッド:0.1%以下なら優秀
NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(純資産4,635億円・売買高56万口)は圧倒的な流動性を誇り、大口取引でも安心です。
一方、MAXIS 高利回りJリート上場投信(売買高3,627口)は高利回りが魅力ですが、まとまった金額の売買時は注意が必要でしょう。
5. 分配金の支払い頻度を確認する
JリートETFの分配金は、年1回から年6回まで、銘柄によってさまざまです。
多くのJリートETFは年4回の分配を採用しています。
3ヶ月ごとに分配金が入るので、定期的な収入源として活用しやすいですね。
面白いのは、各ETFの決算月が微妙にずれていることです。
これを利用すれば、毎月分配金を受け取ることも可能です。
たとえば、こんな組み合わせはどうでしょう。
- MAXIS 高利回りJリート
(1月、4月、7月、10月) - iシェアーズ・コア JリートETF
(2月、5月、8月、11月) - MAXIS Jリート上場投信
(3月、6月、9月、12月)
この3つを組み合わせれば、毎月安定した分配金収入が得られ、JリートETF配当生活の実現に近づけます。
退職後の生活費の一部にしたい方や、定期的なキャッシュフローを重視する方には魅力的な戦略でしょう。
ただし、分配頻度が多いからといって、トータルの分配金が増えるわけではありません。
年4回でも年6回でも、年間の分配金総額はほぼ同じです。
自分のライフスタイルに合わせて、最適な分配頻度のETFを選びましょう。
JリートETFの運用実績とパフォーマンス比較
JリートETFを選ぶ際、過去の運用実績は重要な判断材料になります。
ただし、過去の成績が将来を保証するわけではありません。
それでも、さまざまな市場環境でどのような値動きをしてきたかを知ることで、今後の投資判断に役立てることができるでしょう。
過去5年間の運用実績を比較分析
2020年から2025年にかけて、JリートETFは激動の時代を経験しました。
コロナショックによる急落から始まり、その後の金融緩和による回復、そして最近のインフレ懸念までです。
この5年間で、JリートETFは平均して年率6%程度のリターンを記録しています。
特に注目すべきは、2020年3月の底値からの回復力です。
多くのJリートETFが1年以内に元の水準を回復し、その後も堅調に推移しました。
主要ETFの5年間トータルリターンを見てみましょう。
銘柄名 | 5年間 リターン | 年平均 リターン | 最大 下落率 |
---|---|---|---|
NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型 | +32.5% | +5.8% | -18.2% |
iシェアーズ・ コア JリートETF | +33.1% | +5.9% | -17.9% |
MAXIS Jリート 上場投信 | +31.8% | +5.7% | -18.5% |
MAXIS 高利回り Jリート上場投信 | +35.2% | +6.2% | -19.1% |
高利回り銘柄に特化したMAXIS 高利回りJリート上場投信が最も高いリターンを記録していますが、下落時の落ち込みも大きいことがわかります。
リスクとリターンは表裏一体です。
高いリターンを狙うなら、それなりのリスクも覚悟する必要があるということですね。
市場環境別のパフォーマンス特性
JリートETFの値動きは、市場環境によって大きく変わります。
金利上昇局面では苦戦する傾向があります。
なぜなら、Jリートは借入金を使って不動産を購入しているため、金利が上がると利払い負担が増えるからです。
実際、2022年後半から2023年前半にかけて、世界的な金利上昇の影響でJリートETFは調整局面を迎えました。
この期間、主要ETFは10%~15%程度下落しています。
一方、金融緩和局面では好調です。
2020年のコロナ対策として各国が大規模な金融緩和を実施した際、JリートETFは大きく上昇しました。
また、インフレ局面では比較的強いという特徴もあります。
不動産の賃料は物価に連動して上昇する傾向があるため、適度なインフレはJリートにとってプラスに働きます。
ただし、急激なインフレは金利上昇を招くため、バランスが重要になってきます。
他資産クラスとの相関性
投資の世界では、分散投資が基本です。
JリートETFは他の資産とどのような関係にあるのでしょうか。
日本株式との相関係数は0.26、米国株式とは0.22と、中程度の相関があります。
つまり、株式とある程度似た動きをしますが、完全に同じではないということです。
債券との相関は低く、特に金利上昇局面では逆の動きをすることがあります。
債券価格が下落するとき、JリートETFも下落する傾向があるため、両方持っていても分散効果は限定的かもしれません。
興味深いのは、金 (ゴールド) との相関がほぼゼロという点です。
経済危機の際、金は「安全資産」として買われますが、JリートETFは売られる傾向があります。
このような特性を理解した上で、ポートフォリオを組むことが大切です。
JリートETFだけでなく、株式、債券、金など、さまざまな資産を組み合わせることで、より安定した運用が可能になるでしょう。
なお、高配当投資にはリスクも伴います。詳しくは「高配当ETFをやめるべき理由」をご確認ください。
JリートETFの最適な投資タイミングと運用方法とは?
JリートETFへの投資で成功するには、タイミングと運用方法が重要です。
でも「いつ買えばいいの?」「どうやって運用すればいいの?」と悩む方も多いでしょう。
実は、プロの投資家でも完璧なタイミングを見極めるのは困難です。
だからこそ、誰でも実践できる効果的な戦略を知っておくことが大切なのです。
金利環境から見る投資タイミングを解説
JリートETFの値動きを左右する最重要ファクターが金利動向です。
Jリートは借入金で不動産を運用するため、金利上昇は利払い増加→収益圧迫、金利低下は利払い減少→収益改善という直接的な影響を受けます。
過去データから見える投資タイミングの法則は以下の通りです。
- 金利上昇初期:下落しやすく投資は控えめに
- 金利上昇後期〜ピーク:底打ち反発の狙い目タイミング
- 金利下降局面:最も有利な投資環境
実際、2020年コロナ後の金融緩和局面では多くのJリートETFが大幅上昇を記録しました。
2025年現在の金利上昇トレンドでは、一括投資より時間分散投資が賢明な戦略といえるでしょう。
ドルコスト平均法による積立投資戦略を解説
タイミングを読むのが難しいなら、時間を味方につける方法があります。
それがドルコスト平均法による積立投資です。
毎月一定額を投資することで、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことができます。
具体的にシミュレーションしてみましょう。
毎月3万円をJリートETFに積立投資した場合です。
投資 期間 | 投資総額 | 評価額 (年利5%想定) | 利益 |
---|---|---|---|
3年 | 108万円 | 約116万円 | 約8万円 |
5年 | 180万円 | 約204万円 | 約24万円 |
10年 | 360万円 | 約465万円 | 約105万円 |
積立投資の最大のメリットは、精神的な負担が少ないことです。
価格が下がっても「安く買えてラッキー」と前向きに捉えることができます。
また、分配金を再投資することで、複利効果も期待できます。
10年、20年と続けることで、雪だるま式に資産が増えていく可能性があるのです。
ポートフォリオにおける適正配分比率を解説
JリートETFは魅力的ですが、集中投資はリスクが高すぎます。適正配分は総資産の10-20%程度が目安です。
年代別の最適配分割合は以下の通りです。
年代 | 配分割合 | 投資目的 | 1,000万円の場合 |
---|---|---|---|
30〜40代 | 15〜20% | 成長+安定収入 | 150〜200万円 |
50〜60代 | 10〜15% | 老後資金準備 | 100〜150万円 |
70代以降 | 5〜10% | 安定的生活費 | 50〜100万円 |
残りの資産は日本株式、外国株式、債券、金などに分散投資し、一つの資産に偏らないバランス型ポートフォリオを構築しましょう。
JリートETFに合うおすすめの投資商品
JリートETFだけで資産運用をするのは、正直おすすめできません。
なぜなら、不動産市場だけに依存するのはリスクが高すぎるからです。
賢い投資家は、さまざまな資産を組み合わせてリスクを分散します。
ここでは、JリートETFと相性の良い投資商品を5つご紹介しましょう。
高配当収入が狙える「プライベートデット」
プライベートデットという言葉を聞いたことがありますか?
これは、銀行を通さずに企業へ直接融資する投資手法のことです。
企業が支払う利息が投資家の収益になるため、安定した高配当が期待できます。
特に注目したいのが「ハイクア・インターナショナル」です。
2023年設立のプライベートデットファンドで、年利12%(固定)の配当を実現しています。
投資先は、ベトナムで2011年から事業展開する日系企業「SAKUKO Vietnam co ltd」。現在年商25億円規模で、SAKURA Hotelやビアードパパなど40店舗以上を運営する実績ある企業です。
- 年利12%(固定)の安定配当
- 3ヶ月ごとに3%ずつ分配
- 最低投資額:500万円
- ロックアップ期間なし
ベトナムで事業を展開する日系企業「SAKUKO VIETNAM」への融資を通じて、安定した利息収入を確保する仕組みです。
2011年から現地で実績を積み重ね、現在は年商25億円規模まで成長しています。
JリートETFの分配金利回りが4%台なのに対し、ハイクアインターナショナルは12%です。
この差は大きいですよね。
仮に500万円ずつ投資した場合のシミュレーションを見てみましょう。
- JリートETF (利回り4%):年間20万円の分配金
- ハイクアインターナショナル (利回り12%):年間60万円の配当
- 合計:年間80万円 (総利回り8%)
最低投資額は500万円からと少しハードルは高めですが、3ヶ月ごとに配当が支払われるため、定期的な収入源として活用できます。
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相場下落時に強い「ヘッジファンド」
JリートETFの弱点は、市場全体が下落したときに一緒に下がってしまうことです。
この弱点を補ってくれるのがヘッジファンドです。
相場の上昇時も下落時も利益を狙える、プロの運用手法を活用した投資商品といえます。
国内でおすすめのヘッジファンドを2つ紹介しましょう。
アクション合同会社|アクティビスト戦略で年利25.07%

アクション合同会社は2023年設立のヘッジファンドで、2024年度に年利25.07%の実績を記録しています。
代表・古橋弘光氏はトレイダーズホールディングス元取締役、顧問・木内孝胤氏は元衆議院議員という実績ある運営陣です。
- 日本株アクティビスト投資
- 事業融資・ファクタリング
- Web3事業投資
- 最低投資額:500万円
\新進気鋭のヘッジファンド/
GFマネジメント合同会社|J-Prime戦略で年平均29%

GFマネジメント合同会社は、過去5年間の年平均リターン29%(累積+277%)の実績を持つプロが運用するヘッジファンドです。
- J-Prime戦略(日本大型株集中投資)
- LSE・UBS・モルガンスタンレー出身FM
- 最低投資額:1,000万円
日本株だけでなく、事業投資やWeb3関連にも投資する多角的な戦略が特徴です。
\500万円~の投資も相談可/
安定性を重視した「債券」
債券は、国や企業が発行する借用証書のようなものです。
満期まで保有すれば元本が戻ってくるため、株式やJリートETFよりも安定性が高いのが特徴です。
定期的な利息収入も得られます。
JリートETFと債券は、金利変動に対して似た動きをすることがあります。
金利が上昇すると、両方とも価格が下がる傾向があるのです。
ただし、債券には大きなメリットがあります。
それは、満期になれば額面金額が戻ってくることです。
JリートETFのような価格変動リスクを避けたい方には、債券での分散投資がおすすめです。
特に、個人向け国債なら1万円から購入できて、国が元本を保証してくれます。
リスクを抑えながら、ポートフォリオのバランスを整えることができるでしょう。
資産保全に適した「金」
金は「有事の金」と呼ばれるように、経済危機や戦争などの混乱期に価値が上がる傾向があります。
JリートETFとの相関性がほぼゼロというのも、金の大きな特徴です。
つまり、JリートETFが下がっても金は影響を受けにくく、逆に上昇することさえあります。
2020年のコロナショック時を思い出してみてください。
JリートETFが大きく下落する中、金価格は史上最高値を更新しました。
金への投資方法はいくつかあります。
純金積立なら月1,000円から始められますし、金ETFなら株式と同じように売買できます。
現物の金地金を購入する方法もありますが、保管の手間を考えるとETFの方が便利でしょう。
ただし、金は配当や利息を生みません。
あくまでも資産保全やリスクヘッジの手段として、ポートフォリオの5%~10%程度に留めるのが賢明です。
高成長が期待できる「株式」
株式投資は、企業の成長とともに資産を増やせる可能性がある魅力的な投資方法です。
JリートETFとの相関係数は0.26程度と中程度なので、ある程度の分散効果が期待できます。
特に成長株に投資すれば、JリートETFの安定性と株式の成長性をバランスよく享受できるでしょう。
株式投資の方法も多様化しています。
個別株を選ぶのが難しければ、日経平均やTOPIXに連動するインデックスファンドから始めるのも良いでしょう。
最近では、米国株も簡単に買えるようになりました。
アップルやマイクロソフトなど、世界的な企業に投資することで、より大きな成長機会を狙えます。
ただし、株式は値動きが激しいのも事実です。
JリートETFでインカムゲイン (分配金収入) を確保しながら、株式でキャピタルゲイン (値上がり益) を狙います。
このような使い分けが、バランスの良い資産運用につながります。
結局のところ、どの投資商品にも一長一短があります。
大切なのは、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、適切に組み合わせることです。
JリートETFを軸にしながら、これらの商品を上手に活用して、理想的なポートフォリオを作り上げてください。
よくある質問
JリートETFについて、投資家の皆さんからよく寄せられる質問をまとめました。
基本的な疑問から実務的な内容まで、簡潔にお答えしていきます。
- JリートETFの分配金支払い時期を教えてください
- JリートETFはどのように購入できますか
- 運用会社が経営破綻した場合の投資資金はどうなりますか
実践的ポートフォリオ戦略|JリートETF×代替投資
JリートETFの魅力を最大限活かすには、単体運用ではなく戦略的な組み合わせが重要です。
【資産1,000万円の場合】バランス型ポートフォリオ
投資先 | 配分 | 投資額 | 期待 利回り | 年間収益 |
---|---|---|---|---|
JリートETF | 20% | 200万円 | 4.5% | 9万円 |
ハイクア インターナショナル | 50% | 500万円 | 12% | 60万円 |
株式ETF | 20% | 200万円 | 7% | 14万円 |
現金・債券 | 10% | 100万円 | 1% | 1万円 |
合計 | 100% | 1,000万円 | 8.4% | 84万円 |
【資産3,000万円の場合】成長重視ポートフォリオ
投資先 | 配分 | 投資額 | 期待 利回り | 年間収益 |
---|---|---|---|---|
JリートETF | 15% | 450万円 | 4.5% | 20万円 |
ハイクア インターナショナル | 35% | 1,050万円 | 12% | 126万円 |
GFマネジメント | 35% | 1,050万円 | 25% | 262万円 |
その他 | 15% | 450万円 | 5% | 22万円 |
合計 | 100% | 3,000万円 | 14.3% | 430万円 |
このように、JリートETFを基盤としつつ、より高い利回りが期待できる代替投資を組み合わせることで、リスクを抑えながら大幅な収益向上が可能になります。
まとめ
JリートETFは、少額から不動産投資を始められる魅力的な金融商品です。
2025年のおすすめ銘柄として、信託報酬最安値のMAXIS Jリート上場投信、流動性抜群のiシェアーズ・コア JリートETF、高利回りが魅力のMAXIS 高利回りJリート上場投信などをご紹介しました。
銘柄選びでは、連動指数、分配金利回り、信託報酬、流動性、分配頻度の5つのポイントをチェックすることが大切です。
特に長期投資では、わずかなコストの差が大きな違いを生むため、信託報酬の比較は欠かせません。
投資タイミングについては、金利動向を見ながら、ドルコスト平均法による積立投資がおすすめです。長期的なJリートETF配当生活を目指す方には特に有効でしょう。
一度に大きな金額を投資するよりも、時間を分散することでリスクを抑えられます。
そして何より重要なのは、JリートETFだけに頼らない分散投資です。
プライベートデットやヘッジファンド、債券、金、株式など、さまざまな資産を組み合わせることで、より安定した資産運用が実現できるでしょう。
まずは少額から始めて、徐々に投資の感覚をつかんでいきます。
それがJリートETF投資で成功する秘訣です。
この記事を参考に、あなたも不動産投資への第一歩を踏み出してみませんか。
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