個人向け社債の利回りランキングが知りたい
どの社債が今おすすめなのか分からない
このような悩みを持つ方は多いのではないでしょうか。
個人向け社債は定期預金や国債よりも利率が高く、安定した収益が期待できる魅力的な投資商品です。
しかし、投資信託のように個人向け社債利回りランキングの情報はあまり出回っていません。
この記事では、2025年最新の個人向け社債利回りランキングを詳しく紹介していきます。
投資初心者の方でも理解できるよう、個人向け社債の基本から選び方まで丁寧に解説します。
資産運用に活用できる「個人向け社債」とは?その特徴と魅力を徹底解説
個人向け社債利回りランキングを見る前に、まずは社債の基本的な仕組みを理解しておきましょう。
個人向け社債は企業が発行する債券の中でも、一般の投資家が購入しやすいように作られた金融商品です。
これらの基本知識を押さえることで、個人向け社債利回りランキングをより効果的に活用できるでしょう。
企業の資金調達手段として活用される債券
個人向け社債は、企業が設備投資や事業拡大のために必要な資金を調達する目的で発行されます。
最低購入額は100~500万円程度と、比較的購入しやすい額が設定されています。
企業にとっては広く一般投資家から資金を集められるメリットがあり、投資家にとっては定期預金よりも高い利回りが期待できるという特徴があります。
個人向け社債の基本的な仕組を紹介
個人向け社債の仕組みは、企業が投資家からお金を借りる「借用証書」のようなものと考えると分かりやすいでしょう。
投資家が社債を購入すると、企業から定期的に利息を受け取ることができます。
満期になると元本が返済されるため、満期まで保有すれば元本+利息を受け取れる仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 投資家のメリット | 定期的な利息収入、満期時の元本返済 |
| 企業のメリット | 広く一般から資金調達、返済期限の明確化 |
| 主なリスク | 発行企業の経営破綻、金利上昇による価格下落 |
ただし発行企業が倒産した場合は、利息や元本の支払いが遅延・減額される可能性もあります。
社債の主な種類と特徴を解説
社債には発行時期と性質によって、いくつかの種類に分けられます。
発行時期による分類では、新発債と既発債の2つに分けられます。
| 種類 | 特徴 | 購入タイミング |
|---|---|---|
| 新発債 | 新しく発行される社債 | 募集期間中のみ |
| 既発債 | すでに発行済みの社債 | いつでも購入可能 |
性質による分類では、普通社債が最も一般的で、定期的な利息と満期時の元本返済が行われます。
その他にも転換社債 (CB債) やワラント債など、特殊な権利が付与された社債も存在します。
個人向け社債利回りランキングでは、主に普通社債が対象となることが多いです。
個人向け社債の利率と利回り、それぞれの意味と違い
個人向け社債を選ぶ際には、利率と利回りの違いを正しく理解することが重要です。
利率は社債の額面金額に対して支払われる年間利息の割合を指します。
一方で利回りは、投資した金額に対する総利益の割合を示しており、購入価格と償還価格の差額も含めて計算されます。
- 利率:額面金額に対する年間利息の割合 (基本的に固定)
- 利回り:投資金額に対する総利益の割合 (償還差損益を含む)
新発債の場合は購入価格と償還価格が同じため、利率と利回りはほぼ同じになります。
しかし既発債の場合は市場価格で取引されるため、利率と利回りに差が生じることがあります。
個人向け社債利回りランキングを見る際は、この違いを理解した上で比較検討することをおすすめします。
2025年注目!個人向け社債の高利回りランキングを紹介
では早速ですが、2025年1月から6月にかけて発行された個人向け社債利回りランキングを発表します。
各銘柄をクリックして詳細へジャンプ▼
| 順位 | 銘柄名 | 利率 | 債券金額 | 年限(満期) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ソフトバンクグループ株式会社第65回無担保社債 | 3.34% | 100万円 | 5年 |
| 2 | SBIホールディングス株式会社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付) | 1.885% | 10万円 | 4年 |
| 3 | 東京建物株式会社第36回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(サステナビリティボンド) | 1.76% | 10万円 | 7年 |
| 4 | 楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付) | 1.68% | 10万円 | 1年 |
| 5 | 株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付) | 1.504% | 100万円 | 5年 |
| 6 | 株式会社あかつき本社第 49 回無担保社債 | 1.5% | 100万円 | 1年 |
| 6 | 株式会社あかつき本社第 50 回無担保社債 | 1.5% | 100万円 | 1年 |
| 6 | 株式会社あかつき本社第 51 回無担保社債 | 1.5% | 100万円 | 1年 |
| 9 | 株式会社大和証券グループ本社第47 回無担保社債(社債間限定同順位特約付) | 1.288% | 100万円 | 3年 |
| 10 | アイザワ証券グループ株式会社第6回無担保社債 | 1.25% | 500万円 | 1年 |
- CAPITAL EYE・日本証券業協会に掲載の個人向け社債より利率の高い順に10銘柄を選定
- 起債日が2025年1月以降
- 債券価格が500万円以下
- 新発債のため利回りではなく利率を基準に採用
JCR(日本格付研究所)の格付け基準
| 格付け | JCRの格付け定義 |
|---|---|
| AAA | 債務履行の確実性が最も高い。 |
| AA | 債務履行の確実性は非常に高い。 |
| A | 債務履行の確実性は高い。 |
| BBB | 債務履行の確実性は認められるが、上位等級に比べて、将来債務履行の確実性 が低下する可能性がある。 |
| BB | 債務履行に当面問題はないが、将来まで確実であるとは言えない。 |
| B | 債務履行の確実性に乏しく、懸念される要素がある。 |
| CCC | 現在においても不安な要素があり、債務不履行に陥る危険性がある。 |
| CC | 債務不履行に陥る危険性が高い。 |
| C | 債務不履行に陥る危険性が極めて高い。 |
| LD | 一部の債務について約定どおりの債務履行を行っていないが、その他の債務に ついては約定どおりの債務履行を行っているとJCRが判断している。 |
| D | 実質的にすべての金融債務が債務不履行に陥っているとJCRが判断してい る。 |
R&I格付投資情報センターの格付け定義
| 格付け | R&Iの格付け定義 |
|---|---|
| AAA | 信用力は最も高く、多くの優れた要素がある。 |
| AA | 信用力は極めて高く、優れた要素がある。 |
| A | 信用力は高く、部分的に優れた要素がある。 |
| BBB | 信用力は十分であるが、将来環境が大きく変化する場合、注意すべき要素がある。 |
| BB | 信用力は当面問題ないが、将来環境が変化する場合、十分注意すべき要素がある。 |
| B | 信用力に問題があり、絶えず注意すべき要素がある。 |
| CCC | 信用力に重大な問題があり、金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 |
| CC | 発行体のすべての金融債務が不履行に陥る懸念が強い。 |
| D | 発行体のすべての金融債務が不履行に陥っているとR&Iが判断する格付。 |
1位:ソフトバンクグループ株式会社第65回無担保社債

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発行体 | ソフトバンクグループ株式会社 |
| 銘柄 | ソフトバンクグループ株式会社第65回無担保社債 |
| 利率 | 年3.34% |
| 債券価格 | 100万円以上、100万円単位 |
| 格付け | A(JCR) |
| 償還期間 | 2030年5月2日(5年) |
| 主幹事証券 | 野村 大和 SBI みずほ 三菱UFJモルガン・スタンレー SMBC日興 |
個人向け社債利回りランキング1位はソフトバンクグループ株式会社の「ソフトバンクグループ株式会社第65回無担保社債」で、利率は年3.34%と非常に高い水準です。
ソフトバンクグループ株式会社は、AIの進化と普及がもたらす市場拡大や新産業創出といった大きな機会を確実に捉えるため、戦略投資のほか、ソフトバンク・ビジョン・ファンドを通じた投資を行う戦略的投資持株会社です。
2024年度(2025年3月期)の連結業績は、売上高7兆2,438億円、投資損益3兆7,011億円、純利益1兆1,533億円と、前年度比で1兆3,810億円増の4年ぶりの通期黒字となりました。
なお格付けについてはA(JCR)で「債務履行の確実性は高い」と評価をされています。
また主幹事証券は野村証券や大和証券、SBIなどの大手が連なり、信用力が高いことも分かりますね。
さらに利率が高いことからも競争率が高く、購入をすることが難しいと言われている銘柄ではありますが、5年満期と比較的中長期の運用となっており、他銘柄と比べても安定的・高利回りな運用が叶う銘柄となっています。
個人向け社債は比較的低リスクとされる投資商品ですが、もし万が一発行企業が経営破綻した場合は元本割れするリスクがあります。
また、社債は基本的に満期まで保有するのが一般的なので、インフレによる実質的な価値の減少にも注意が必要です。
個人向け社債を購入する際は、リスク分散のためにも他の投資商品と組み合わせることをおすすめします。
個人向け社債との組み合わせで特におすすめな投資先は「国内ヘッジファンド」です。
一般的な個人向け社債の利回りが1〜2%程度なのに対して、国内ヘッジファンドでは年間10%以上の固定リターンが期待できるものもあります。
運用の安定性をより高めたい方は、ぜひ国内ヘッジファンドへの投資も検討してみてください。
2位:SBIホールディングス株式会社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発行体 | SBIホールディングス株式会社 |
| 銘柄 | SBIホールディングス株式会社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
| 利率 | 年1.885% |
| 債券価格 | 10万円以上、10万円単位 |
| 格付け | A-(R&I) |
| 償還期間 | 2029年6月15日(4年) |
| 主幹事証券 | 日興 大和 SBI 野村 みずほ 岡三 |
個人向け社債利回りランキング2位はSBIホールディングス株式会社の「SBIホールディングス株式会社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」で、利率は年1.885%です。
SBIホールディングスは、証券・銀行・保険・資産運用・PE投資・暗号資産・次世代事業を展開する総合金融グループです。
グループ全体で約5,442万件の顧客基盤を持ち、金融サービスを中心とした企業生態系を構築しています。
2025年3月期(2024年度)の収益は前期比19.3%増の1兆4,437億円で過去最高を更新し、金融サービス事業、資産運用事業、PE投資事業、暗号資産事業が過去最高業績を記録し、全体として大幅な増益となるなど順調です。
なお格付けについてはA-(R&I)で、A=「信用力は高く、部分的に優れた要素がある」一方でマイナス表示は下位格寄りの評価であることを示しています。
マイナス表示があることで、今後企業環境がどのように変化していくかは注意が必要となりますが、SBIホールディングスの2024年度の業績を見ると堅調な業績を示しています。
本社債については満期が4年となっており、現在の格付けA-(R&I)を考慮すると短期的なリスクは相対的に限定的と考えられるでしょう。
3位:東京建物株式会社第36回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(サステナビリティボンド)

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発行体 | 東京建物株式会社 |
| 銘柄 | 東京建物株式会社第36回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(サステナビリティボンド) |
| 利率 | 年1.76% |
| 債券価格 | 10万円以上、10万円単位 |
| 格付け | A(JCR) |
| 償還期間 | 2032年7月9日(7年) |
| 主幹事証券 | SBI みずほ 大和 日興 |
個人向け社債利回りランキング3位は東京建物株式会社の「東京建物株式会社第36回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(サステナビリティボンド)」で、利率は年1.76%です。
東京建物は1896年創業の日本最古の総合不動産会社で、オフィスビル、住宅、商業施設開発やアセットサービス事業を展開する総合デベロッパーです。
2024年12月期(2024年度)は、分譲マンションの売上・粗利益が増加したこと等により増収増益。
政策保有株式の売却により特別利益が増加したことで、親会社株主に帰属する当期純利益が大幅に増益(前期比+46.1%)となりました。
営業収益・営業利益・事業利益・経常利益は過去最高を更新、親会社株主に帰属する当期純利益は9期連続で増益を達成するなど、好調な業績を維持しています。
格付けはA(JCR)で信用力が高いとされる水準。
利率も比較的高く、こちらも人気の高い個人向け社債となっています。
4位:楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発行体 | 楽天カード株式会社 |
| 銘柄 | 楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
| 利率 | 年1.68% |
| 債券価格 | 10万円以上、10万円単位 |
| 格付け | BBB+(R&I) A-(JCR) |
| 償還期間 | 2026年6月26日(1年) |
| 主幹事証券 | みずほ 大和 楽天 日興 野村 岡三 東海東京 |
個人向け社債利回りランキング4位は楽天カード株式会社の「楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」で、利率は年1.68%です。
楽天カードは、楽天グループのフィンテック事業を支える中核として、主にクレジットカード事業を通じて、安心・安全で満足度の高い金融サービスを提供する会社です。
ニーズに合わせて豊富な種類のクレジットカードを発行し、法人・個人事業者向け事業、不動産事業、海外事業と多岐にわたる事業を展開しています。
2024年度の営業収益は3,367億円、経常利益は432億円を達成し、カード発行枚数は3,221万枚(2025年3月末)に達するなど、堅調な業績を維持しています。
ただし格付けはBBB+(R&I)・A-(JCR)とやや低め。
これは楽天カード株式会社は楽天グループ株式会社の子会社という立場にありますが、楽天カード自体の事業は堅調であっても親会社である楽天グループの財務状況、特に楽天モバイル事業の大幅な赤字とキャッシュ流出が続いていることが子会社である楽天カードの格付けにも影響を与えているのが現状です。
楽天カード自体の業績は順調で本社債の満期も1年と短いことを考慮すると、短期的なリスクは相対的に限定的と考えられるでしょう。
5位:株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発行体 | 株式会社JERA |
| 銘柄 | 株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
| 利率 | 年1.504% |
| 債券価格 | 100万円以上、100万円単位 |
| 格付け | AA-(R&I) AA-(JCR) |
| 償還期間 | 2030年6月25日(5年) |
| 主幹事証券 | 三菱 みずほ |
個人向け社債利回りランキング5位は株式会社JERAの「株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」で、利率は年1.504%です。
JERAは、燃料上流開発から発電・卸売まで一気通貫で手がける日本最大の火力発電事業者。
日本国内の火力発電容量の約4割を保有し、世界最大級のLNG取扱量を誇る総合エネルギー企業です。
2024年度決算は売上収益3兆3,559億円(前年比9.6%減)、当期利益1,839億円(同54.0%減)となりました。
減益の主因は期ずれ差益の減少や海外・再エネ発電事業の利益減によるものです。2025年度は当期利益2,300億円程度を見込むなど、業績回復を目指しています。
格付けについてはAA-(R&I)、AA-(JCR)ですが、JERAの親会社である東京電力「A-(R&I)」「A(JCR)」よりも高く、中部電力「AA-(R&I)」「AA(JCR)」と同等もしくは若干低い水準にあります。
これは合弁会社として独立した収益基盤を持ち、福島原発事故による負の影響から分離された事業体として評価されているためです。
※JERAは東京電力の完全子会社であるTEPCO Fuel & Powerと中部電力の50-50の合弁会社として2015年4月に設立されました。
これらのことから、満期5年という中長期商品であることを考慮しても、比較的安心した運用ができると考えられます。
6位:あかつき本社第49~50回無担保社債

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発行体 | 株式会社あかつき本社 |
| 銘柄 | ・株式会社あかつき本社第 49 回無担保社債 ・株式会社あかつき本社第 50 回無担保社債 ・株式会社あかつき本社第 51 回無担保社債 |
| 利率 | 年1.5% |
| 債券価格 | 100 万円 |
| 格付け | ー |
| 償還期間 | ・49回:2026年4月24日(1年) ・50回:2026年5月22日(1年) ・51回:2026年6月19日(1年) |
| 主幹事証券 | ー |
個人向け社債利回りランキング6位は株式会社あかつき本社の「あかつき本社第49~50回無担保社債」の3銘柄で、利率は年1.5%です。
※株式会社あかつき本社無担保社債の第49回、第50回、第51回の利率が同じなため、6位タイとしてご紹介させていただきます。
あかつき本社は、証券事業(IFA・ウェルスマネジメント)と不動産事業(中古マンション買取再販・高齢者施設開発)を主軸とする金融サービス会社です。
2024年度(2025年3月期)の営業収益は前年比21.0%増の564億円、親会社株主利益は前年比3.7%増の26億円となり、証券・不動産両セグメントで増収増益を達成。
証券セグメントでは金融商品仲介サービス部門の預り資産が3,884億円、不動産セグメントでは中古マンション買取再販で販売戸数が大幅増加し業績を牽引しました。
ただし本社債は信用格付機関による格付けを取得していないため、客観的な信用リスクの見極めが困難な銘柄となりますので注意が必要です。
9位:株式会社大和証券グループ本社第47 回無担保社債(社債間限定同順位特約付)

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発行体 | 株式会社大和証券グループ本社 |
| 銘柄 | 株式会社大和証券グループ本社第47 回無担保社債(社債間限定同順位特約付) |
| 利率 | 年1.288% |
| 債券価格 | 100 万円 |
| 格付け | A+(R&I) A+(JCR) |
| 償還期間 | 2028年6月2日(3年) |
| 主幹事証券 | 大和 |
個人向け社債利回りランキング9位は株式会社大和証券グループ本社の「株式会社大和証券グループ本社第47 回無担保社債(社債間限定同順位特約付)」で、利率は年1.288%です。
大和証券グループ本社は、ウェルスマネジメント、アセットマネジメント、グローバル・マーケッツ&インベストメント・バンキングを主力事業とする総合金融持株会社です。
2024年度の連結経常利益は2,247億円と2005年度以来19年ぶりに2,000億円を突破し、前年度比28.7%の大幅増益を達成しました。
ウェルスマネジメント部門では総資産コンサルティングが奏功し、株式投信の純増額が過去最高の4,785億円を記録するなど好調な業績を示しました。
高水準の株主還元も継続し、通期配当は過去最高の56円、総還元性向は83.6%となり、株主重視の経営姿勢を鮮明にしています。
格付けもR&I、JCRともにA+と本ランキングの中では最も高く、信用度の高さがうかがえます。
その一方で利率は年1.288%と低く、資産価値の向上には効果を発揮しないでしょう。
「安全な資産の確保先」という意味合いでの利用が向いていますね。
10位:アイザワ証券グループ株式会社第6回無担保社債

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発行体 | アイザワ証券グループ株式会社 |
| 銘柄 | アイザワ証券グループ株式会社第6回無担保社債 |
| 利率 | 年1.25% |
| 債券価格 | 500万円 |
| 格付け | ー |
| 償還期間 | 2026年4月22日(1年) |
| 主幹事証券 | ー |
個人向け社債利回りランキング10位はアイザワ証券グループ株式会社の「アイザワ証券グループ株式会社第6回無担保社債」で、利率は年1.25%です。
アイザワ証券グループは、証券事業(資産運用コンサルティング)を中核に、投資事業、運用事業を展開する金融グループ。
ストック商品(投資信託・ラップ商品)の積み上げによる預り資産連動型収益構造への転換を推進しています。
2025年3月期決算では営業収益が前年比8.5%増の205億円、営業利益が62.7%増の18億円と増収増益を達成しました。
投資事業が好調で、ストック商品の預り資産は過去最高の4,000億円を突破したものの、ROE8%目標は未達となりました。
株主還元強化の一環として、2025年3月期から2028年3月期までの間に総額200億円以上の株主還元を実施する方針を発表しています。
なお、本社債は信用格付機関による格付けを取得していないため、客観的な信用リスクの見極めが困難な銘柄となります。
利率も個人向け国債や銀行の定期預金と比べると高いですが、リスクの判断が困難な点や、最近では定期預金の金利も1.2%以上の商品も増えてきたことを考えると、個人的にはアイザワ証券グループの社債はあまりおすすめはできません。
以上が2025年1月~6月までに発行された個人向け社債のランキングでした。
ここからは、購入時に気を付けるべきポイントや個人向け社債より高い配当利回りを狙える運用先「ヘッジファンド」についても解説していきます。
個人向け社債購入時に気をつけるべきポイント
個人向け社債利回りランキングを参考に投資を検討する際は、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。
社債投資は定期預金よりも高い利回りが期待できる一方で、固有のリスクも存在するためです。
これらのポイントを事前に把握して、安全な投資判断を行いましょう。
個人向け社債は国債と比較してリスクが高い
個人向け社債は投資先として比較的低リスクとされていますが、国債と比べるとリスクは高くなります。
個人向け国債は国が発行する債券であり、元本保証もされているため安全性が非常に高いです。
一方で個人向け社債は企業が発行するため、発行企業が経営破綻した場合は元本割れするリスクがあります。
過去にはJALやウィルコムのように経営破綻により社債が元本割れした事例も存在します。
低リスクとはいえ、元本保証の国債などと比較するとリスクがある点は理解しておきましょう。
そのため、退職金などの老後資金で運用するのは慎重になった方が良いと言えます。
退職金のおすすめの預け先に関しては、下記の記事で解説しています。
ランキングはあくまで参考程度として活用する
個人向け社債利回りランキングを見て投資する際、ランキング上位だけで判断するのは危険です。
利率の高さのみに注目すると、企業の将来性や経営リスクを見落とす可能性があるためです。
また個人向け社債は発行額が限られており、高利回りの銘柄はすぐに完売することが多いです。
申込期間も最大で1〜2週間程度と短いため、投資信託のようにじっくり検討する時間がありません。
ランキングは投資判断の参考材料として活用し、企業の財務状況や格付けも総合的に判断することが大切です。
個人向け社債は長期運用を前提に考える
個人向け社債は短期間ではなく、数年以上の長期運用が基本となる投資商品です。
すぐに利益を得たい方には向きませんが、定期預金のようにじっくり資産を増やしたい方には適しています。
社債の銘柄によって満期までの年数は異なり、数年から10年以上と幅があります。
自分の投資スタイルに合わせて、短期で利益確定するか長期で運用するかを考えましょう。
満期日で選ぶのも一つの判断基準として有効です。
ヘッジファンドや投資信託などを活用してリスク分散がおすすめ
個人向け社債を購入する際は、リスク分散のために他の投資商品と組み合わせることをおすすめします。
例えばヘッジファンドや投資信託など異なる種類の投資先を併用することで、分散効果が高まりリスクを軽減できます。
個人向け社債は途中売却しない限り価格変動の影響を受けにくいため、比較的安全な運用商品です。
しかしコロナ禍のような世界経済に大きな影響を与える出来事が発生すると、企業の財政悪化リスクが高まることもあります。
このような予測不能なリスクに対応するため、ヘッジファンドや投資信託などへの分散投資が重要となるのです。
個人向け社債はインフレリスクを伴う
個人向け社債を購入する際の注意点として、インフレリスクが挙げられます。
インフレリスクとは、物価上昇により資産の実質的な価値が減少することを指します。
例えば毎年2%の物価上昇が続いた場合、投資した100万円を2%以上の利回りで運用できていなければ資産の実質価値が下がってしまいます。
社債は基本的に満期まで保有するのが一般的なため、利回りが2%未満でも運用を続けざるを得ません。
途中売却も可能ですが、その場合は元本割れのリスクが伴います。
このような資金の動かしづらさも考慮した上で投資判断を行うことが大切でしょう。
資金500万円以上なら、ヘッジファンド投資を視野に入れよう
国内企業の個人向け社債の利率は高くても3〜4%程度で、ほとんどの場合で1%台です。
個人向け社債より利回りの高い海外債券への投資という選択肢もありますが、為替変動リスクや価格変動リスクなどを考慮すると安定した運用は難しいといえます。
500万円以上の投資資金があるのであれば、国内のヘッジファンドへの投資も検討してみてはいかがでしょうか。
【年利12%】ハイクア・インターナショナル
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 運用会社 | 合同会社 ハイクア・インターナショナル |
| 設立 | 2023年 |
| 本社所在地 | 日本(大阪) |
| 年利 | 12%(固定) |
| 最低投資額 | 500万円 |
| 主な投資対象 | SAKUKO VIETNAM(ベトナム企業) |
| 運用手法 | 新興国企業への事業融資 |
| 配当頻度 | 年4回(3%ずつ) |
| 資料請求 | 可能 |
| 運用の相談 | 無料個別相談あり |
| 公式サイト | https://hayqua-international.co.jp/ |
ハイクア・インターナショナル(以下、ハイクア社)は、関連会社への事業融資を通じて収益獲得を目指すファンドです。
投資家はハイクア社に出資を行い、ハイクア社が関連会社であるベトナム企業の「サクコ」に事業融資を実施します。
融資を受けているサクコはハイクア社に対して貸付金利息を支払い、その利息の一部が配当金として投資家に年12%配当される仕組みです。
- 社債よりも高い年利12%が受け取れる
- 3ヶ月に1回3%ずつの配当
- 融資の利息が配当原資なので社債と同様に安定性がある
- 保有手数料が不要
- 社債と違っていつでも解約できる
500万円投資で年間60万円の配当が受け取れる
ハイクア社は、年利12%なので500万円を投資すれば年間60万円の配当金を受け取ることができます。
配当金は、1月・4月・7月・10月に3%ずつ支払われるため生活資金の足しにするのも利益を他の投資に回すことも可能です。
| 配当月 | 1月 | 4月 | 7月 | 10月 |
|---|---|---|---|---|
| 配当金 | 15万円 | 15万円 | 15万円 | 15万円 |
また、ハイクア社は社債のように満期がありません。
利回り的にも社債より効率的に資産形成できるため、長期的な投資もおすすめです。
実際に元本500万円を長期的に投資すると累計配当額は下記のようになります。
| 年数 | 年間配当額 | 累計配当額 |
|---|---|---|
| 1年後 | 60万円 | 60万円 |
| 3年後 | 60万円 | 180万円 |
| 5年後 | 60万円 | 300万円 |
| 10年後 | 60万円 | 600万円 |
| 15年後 | 60万円 | 900万円 |
| 20年後 | 60万円 | 1,200万円 |
20年間解約しなければ、配当だけで1,200万円になるため老後資金の確保にも役立つでしょう。
リスクは社債と同じ
ハイクア社は、事業融資の利息によるリターンを配当原資とします。融資先の企業サクコ社が利息を支払うには、事業投資を行い売上を上げる必要があります。
社債も同じように債券発行で調達した資金を元手に事業投資を行い、売上を上げることで配当を出します。
どちらもリスクとしては、融資先企業or発行体の破綻という意味でリスクの種類は同じです。
安定して12%の利回りを出せる理由
ハイクア社は、ベトナム籍の日系企業サクコ社の資金調達手段として設立された会社です。
12%の配当原資はサクコ社が支払う利息から出ているのですが、投資家に安定して分配できる理由が2つあります。
- ベトナムの経済成長が12%以上の成長を可能に
- ベトナムの銀行融資の金利は10%程度と高金利
ベトナムは現在、経済成長段階にあり国民の所得は徐々に伸びてきています。
サクコ社が主に事業領域としているのは小売や外食産業です。国民の所得が上がっていく過程で最も恩恵のある領域であり、経済成長と共に事業成長をしていくことができます。
以下はサクコ社の現在の事業です。
| 事業部門 | 展開規模 | 月間売上高 |
|---|---|---|
| SAKUKO STORE | 35店舗 | 約1.5億円 |
| BEARD PAPA | 11店舗 | 約5,000万円 |
| SAKURA HOTEL | 2店舗 | 約3,000万円 |
| グループ合計年商 | 25億円 | |
既に大規模に展開しておりノウハウを持っている会社なので、資金調達により成長を加速させていくフェーズと言えるでしょう。
また、ベトナムは日本と違って金利が高く、銀行融資でも10%ほどの金利が取られてしまいます。そのため、ハイクア社で12%の利息を支払ってもそこまで変わらないとのことです。
ハイクア社のメリット
- 固定12%配当
年4回(3月・6月・9月・12月)各3%ずつ確実に配当 - 手数料なし
信託報酬などの保有手数料が一切不要 - 選べる運用方法
配当受取(単利)or 再投資(複利)を自由に選択可能 - ロックアップなし
必要に応じていつでも解約可能な柔軟性
ハイクア社は、社債と属性が近い固定配当型のファンドです。
社債と同様のリスクでありながら、社債よりもはるかに高い利回りを実現することができます。
手数料もなく無駄なコストがかからないことや、いつでも解約できる点もメリットです。
ハイクア社は投資する前に、必ず無料の個別相談で投資に関する説明を実施しています。公式サイトの問い合わせフォームから予約できますので、気になる方は確認してみてください。
\無料の資料請求のみもOK/
ハイクア・インターナショナルについてのより詳しい解説が知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

【年利25%】アクション合同会社

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 運用会社 | Action合同会社 |
| 設立 | 2023年 |
| 本社所在地 | 日本(東京) |
| 年利 | 年15%以上目標 ※2024年度実績:25.07% |
| 最低投資額 | 500万円 |
| 主な投資対象 | ・バリュー株投資 ・事業投資 ・Web3事業 ・ファクタリングなど |
| 運用手法 | ・資金配分の最適化 ・リスクヘッジの徹底 ・キャッシュフロー管理 ・市場動向の分析 ・パートナーシップの活用 |
| 資料請求 | 不可 |
| 運用の相談 | 無料個別相談あり |
| 公式サイト | https://action-goudou.co.jp/ |
アクション合同会社は、2023年設立の新興ヘッジファンド。
『みんなのFX』などのサービスで知られるトレイダーズホールディングス株式会社の元代表取締役を務めていた古橋 弘光氏が代表 兼 運用責任者を務めています。
アクションは株式や債券のほか、Web3事業や事業投資、ファクタリングなど様々な対象に分散投資しています。
利回りは年15%以上を目標に掲げているなか、2024年度は年利25.07%以上という驚異的な実績を残し、投資家からの期待度もかなり高いファンドになっています。

アクションは、信頼性の高いヘッジファンドに投資したい人や、分散投資によるリスクヘッジをしたい人におすすめです。
詳細な運用実績や今後の方針については無料の面談で聞くことができるため、まずは公式サイトから問い合わせてみることをおすすめします。
アクションについてのより詳しい解説が知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

よくある質問
個人向け社債利回りランキングや社債投資に関してよくある質問と回答を紹介します。
- 2025年に発行された個人向け社債にはどのようなものがありますか?
- 個人向け社債の選び方と購入方法を教えてください。
- 楽天証券で社債を購入する際のメリットはありますか?
- 社債と個人向け国債の違いは何ですか?
- ソフトバンクや三菱などの社債は資産運用としておすすめですか?
- 社債投資のデメリットや注意点を教えてください。
- 個人向け社債は元本が保証されていますか?
まとめ
この記事では2025年最新の個人向け社債利回りランキングを詳しく紹介しました。
各銘柄をクリックして詳細へジャンプ▼
| 順位 | 銘柄名 | 利率 | 債券金額 | 年限(満期) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ソフトバンクグループ株式会社第65回無担保社債 | 3.34% | 100万円 | 5年 |
| 2 | SBIホールディングス株式会社第43回無担保社債(社債間限定同順位特約付) | 1.885% | 10万円 | 4年 |
| 3 | 東京建物株式会社第36回無担保社債(社債間限定同順位特約付)(サステナビリティボンド) | 1.76% | 10万円 | 7年 |
| 4 | 楽天カード株式会社第10回無担保社債(社債間限定同順位特約付) | 1.68% | 10万円 | 1年 |
| 5 | 株式会社JERA第31回無担保社債(社債間限定同順位特約付) | 1.504% | 100万円 | 5年 |
| 6 | 株式会社あかつき本社第 49 回無担保社債 | 1.5% | 100万円 | 1年 |
| 6 | 株式会社あかつき本社第 50 回無担保社債 | 1.5% | 100万円 | 1年 |
| 6 | 株式会社あかつき本社第 51 回無担保社債 | 1.5% | 100万円 | 1年 |
| 9 | 株式会社大和証券グループ本社第47 回無担保社債(社債間限定同順位特約付) | 1.288% | 100万円 | 3年 |
| 10 | アイザワ証券グループ株式会社第6回無担保社債 | 1.25% | 500万円 | 1年 |
個人向け社債は定期預金よりも高い利回りが期待できる一方で、元本保証の個人向け国債と比べてリスクが高く長期運用が基本となる投資商品です。
年に複数回発行する企業も多いため、気になる企業があれば社債発行のタイミングをチェックしてみることをおすすめします。
個人向け社債より高利回りの投資先を検討している場合は、当記事で紹介したヘッジファンドも選択肢の一つでしょう。
プライベートデットの「ハイクアインターナショナル」では年間12%(固定)のリターンを実現しています。

またヘッジファンドの「アクション」では年間15%以上のリターン獲得を目標としています。







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